黒紫(くろむらさき)とは?|Kuromurasaki|#331732

黒紫Kuromurasaki

色の名前Japan Color Name 黒紫(くろむらさき)
ローマ字Romanized Kuromurasaki
RGB R:051 G:025 B:050
CMYK C:81 M:96 Y:60 K:50
Web カラーHex triplet

色の説明

黒紫(くろむらさき)とは、極めて黒に近い深い赤紫色のことです。色名は、その名のとおり黒ばんだ『紫色』との意味から。また、黒みの濃い紫の総称でもあります。

『黒紫』は、古くからの染め色の一種で、紫根染めを何度も繰り返し、濃く染め重ねることで得られる深い色合いは、当時の技術の粋を集めたものです。その高貴さゆえに、朝廷や貴族社会で格式高い色として重宝されました。

養老律令 ようろうりつりょう」(七五七)の朝服条によれば、『黒紫』は朝廷への出仕に用いられる朝服の一位の色とされています。このため、『黒紫』は最高位を象徴する色とされ、「君臣が位を極めた色」という意味で『至極色 しごくいろ』とも呼ばれました。ちなみに、『深紫 こきむらさき』も同じ色といわれています。

また、和田正造の「色名大辞典」(一九五四)では、『黒紫 くろむらさき』とは別に『黒紫 こくし』という別の色の項があり、そこには「茄子紺 なすこんに同じ。」と記されています。『黒紫 くろむらさき』と比べると『茄子紺 なすこん』はわずかに明るい色なので、読み方により別の色となるようです。

古代から近代に至るまで、『黒紫』は日本の歴史や文化において格式の高さを象徴する重要な色として扱われてきました。その深い色合いは、単なる色名以上に、権威や美意識を反映した特別な存在といえるでしょう。

-読み:くろむらさき-

*あて宮「姿をかしげに、御髪(ぐし)の麗しくをかしげに清らなる、くろむらさきの絹をやうせるごと、生ひたる限り末までいたらぬ筋なし」

『宇津保物語』作者不明(九七〇〜九九九頃)

関連する色の紹介

参考文献


[Explanation of a color]

Kuro-murasaki (Black Purple) refers to a deep reddish-purple color, almost black in appearance. The name derives from the meaning of “darkened purple.” It is also sometimes used as a general term for deep, dark purples. In some contexts, it is equated with Koki-murasaki (Deep Purple).

Kuro-murasaki has been recognized as a type of color achieved through traditional dyeing techniques. By repeatedly dyeing with purple gromwell root (Murasaki), artisans created its deep hue, representing the pinnacle of dyeing technology of the time. Due to its regal appearance, Kuro-murasaki was highly valued as a prestigious color in court and noble society.

According to the Yoro Ritsuryo (757 CE), Kuro-murasaki was designated as the color for the highest-ranking court attire, or Asa-fuku. For this reason, it was also known as Shigoku-iro (The Ultimate Color), symbolizing supreme status.

In Wada Shozo’s Dictionary of Color Names (1954), Kuro-murasaki is listed separately from Koku-shi (another reading of Black Purple). The entry for Koku-shi states, “Same as Nasu-kon (Eggplant Purple),” indicating that Koku-shi and Nasu-kon are identical in shade.

Kuro-murasaki has remained an important color throughout Japanese history and culture, symbolizing prestige and elegance from ancient times to the modern era. Its profound hue reflects not only a name but also a sense of authority and refined aesthetics.

-read: Kuromurasaki-

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