退紅(あらぞめ)とは?|Arazome|#EEC9D1

退紅Arazome

色の名前Japan Color Name 退紅(あらぞめ)
ローマ字Romanized Arazome
RGB R:238 G:201 B:209
CMYK C:00 M:25 Y:06 K:07
Web カラーHex triplet
誕辰色11月15日

色の説明

退紅(あらぞめ)とは、ごく淡い紅色のことです。平安時代から伝わる紅花染めの色名で、「あらそめ」とも読まれました。色名の「退」は「たい」と同義であり、「めた紅」の意味です。ただし、ここでいう「褪めた」とは退色した色ではなく、もともと淡い紅色のことでした。

退紅 あらぞめ』は、許し色の基準とされた『一斤染 いっこんぞめ』よりわずかに薄く、『桜色』より濃い紅花染めの色とされ、書物によっては「洗染」「荒染」「粗染」などの名称で記されていますが、いずれも同じ色を指しました。また、『装束色彙 しょうぞくしょくい ※1』では、「薄紅、退紅に同じ。」との記述があり、『薄紅 うすべに』と『退紅 あらぞめ』を同じ色とする説もあります。
※1:「装束色彙」江戸中期に書かれた有職故実の書籍

染色法については、「延喜縫殿式 えんぎぬいどのしき」に「帛(きぬ)一疋 いっぴきに紅花小八両、酢一合、わら半囲、薪三十斤を用いる」と記されており、酢を媒染剤として用いることで淡い紅色が得られていました。また、紅花の搾りかすでも染められていたとも伝えられています。

一疋 いっぴき二反 にたん分の長さで22m前後。

は草の束を数える単位。

※一斤は約600g。両は1/16斤で約37.3g。

延喜弾正台式』では、『退紅 あらぞめ』は官人や従者、雑役の者の服色として定められており、身分の低い者が着用した場合は「たいこう」と訓み区別していました。江戸後期の有職故実書「貞丈雑記 ていじょうざっき」にも「退紅と云うも卑しい者の服である」との記述があります。

-読み:あらぞめ-

関連する色の紹介

参考文献


[Explanation of a color]

Arazome (退紅) is a very pale shade of red. It is a traditional color name derived from benibana (紅花, safflower) dyeing, dating back to the Heian period, and was also pronounced as arasome. The character “退” (tai) is synonymous with “褪” (tai), meaning “faded red.” However, in this context, “faded” does not refer to a color that has lost its vibrancy over time, but rather to a naturally light shade of red.

Arazome was considered a shade slightly lighter than Ikkin-zome (一斤染), which was the standard reference for permitted colors, and darker than Sakurairo (桜色, cherry blossom color). Various texts refer to it by different names, such as Senzome (洗染, washed dye), Arazome (荒染, rough dye), and Sozome (粗染, coarse dye), all of which describe the same color. Additionally, Shouzoku Shokui (装束色彙) states that “薄紅 (Usukurenai, light crimson) and 退紅 (Arazome) are the same,” suggesting that some sources regarded them as identical shades.

Regarding the dyeing method, Engi Nuidenshiki (延喜縫殿式) records that “one hiki (疋) of silk requires eight ryō (両) of safflower, one gō (合) of vinegar, half a bundle of straw, and thirty kin (斤) of firewood” to achieve this shade. Vinegar was used as a mordant to bring out the pale red color. It is also said that the residue of safflower extraction was sometimes used for dyeing.

In Engi Danzyoudaishiki (延喜弾正台式), Arazome was designated as the clothing color for officials, attendants, and menial workers. When worn by individuals of lower social status, it was pronounced as Taikou (たいこう) to distinguish it from its standard usage. The Teijou Zakki (貞丈雑記), a late Edo-period text on court customs, also notes that “退紅 is the clothing of the lowly,” indicating its association with the attire of lower-ranking individuals.

-read:Arazome-

伝統色のいろは 筆ペンセット

サイト運営者からのお願い

このサイトが気に入った役に立ったと思われた方は、Amazon・楽天で買い物をする際はぜひ下記のバナーをタップしてからお買い物をお願いいたします。

こちらからお買い物をしていただきますと、価格の1%相当のポイントがサイトに入ります。もちろんその分、高くなるようなことはありません。

いただいたポイントは今後のサイト運営のための書籍代運営費モチベーションにつながりますので、ご協力いただけますと嬉しいです。

Post navigation


Pinterestでシェアする際にご利用ください。

退紅(Arazome)
別パターンの退紅画像はこちら

注意事項

表示されている色(RGB値)は色の名前に対するおおよそものです。色名によっては広範囲の色を指す場合や文献・書籍等によっては解釈が異なる場合もありますのでご了承ください。 ご利用の環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。

印刷などに伝統色を利用したい場合は、DICグラフィックス株式会社から発売されている日本の伝統色シリーズがオススメです。

DIC 日本の伝統色 第9版


タグ:平安の色染めの色着物の色

この伝統色名が気に入ったらシェアをお願いします

この記事のタイトルとURLをコピーする

「退紅」関連の商品

楽天市場での商品検索結果8件ご紹介します。

着物の買い替えをお考えなら、まずは高く売りましょう!退紅の着物を売る。着物買取情報はこちら!


参考にしている書籍

▲ページの先頭へ戻る