色の名前Japan Color Name | 青鈍(あおにび) |
---|---|
ローマ字Romanized | Aonibi |
RGB | R:093 G:105 B:112 |
CMYK | C:20 M:00 Y:00 K:70 |
Web カラーHex triplet | |
誕辰色 | 1月26日 |
色の説明
青鈍(あおにび)とは、青みの暗い灰色のことです。『鈍色 』の派生色。別に「あおにぶ」とも読まれます。 古くからの色名で、平安時代 (七九四-一一八五)の衣服令では凶時の服色(凶色)として、僧尼の衣に用いる色とされました。(出典:装束抄)
ただし、平安文学の「宇津保物語 」では「あおにびのさしぬき」、「源氏物語」では「青鈍の織物」「青鈍の細長」「あおにびの紙」「青鈍の几帳」など多くの記述が見られるように、青みの暗い灰色の形容に使われる一般的な色名でもあったようです。
『青鈍』の染色は、白樫 の樹皮や堅果 の鉄媒染 した『鈍色』に藍を淡く重ねるという説と、藍を染めた後に『鈍色』を重ねて染めるという説があり、色合も大きく異なります。
ちなみに、『鈍色 』とは平安時代における無彩色系統(黒と白の中間色)の総称で、現在で言えば『灰色』や『鼠色 』にあたります。色相も薄い色から濃い色まで広い範囲を指しており、その中で青みを帯びた色が『青鈍』と呼ばれました。
鈍色 | 青鈍 |
江戸の頃になると『鈍色』の色相は寂 のきいた粋な色として流行色となり『〇〇鼠』と呼ばれ細分化されていきます。そのため、『青鈍』の色名も『藍鼠』と呼ばれ使われなくなり、この色に対する「凶色」としての概念も完全に消えてしまいました。
-読み:あおにび-
「空蝉の尼君に、青鈍の織物、いと心ばせあるを見つけたまひて、
御料にある梔子の御衣、聴し色なる添へたまひて」
『源氏物語』「玉鬘」紫式部。
関連する色の紹介
参考文献
- 長崎盛輝『新版 日本の伝統色 その色名と色調』青幻舎 ISBN-10:4861520711
- 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社 ISBN-10:4879405493
- 内田 広由紀『定本 和の色事典』視覚デザイン研究所 ISBN-10:4881082035
[Explanation of a color]
The Aonibi is a dark gray with a blue tinge. It is a derivative of “aonibi-iro. It can also be read as “aonibu”. In the Heian period (794-1185), it was used as a color for priests’ and nuns’ robes in times of war.
There are two theories for the dyeing of Aonibi: one is that indigo is lightly overlaid on the iron-mordant “dull color” of white oak bark and acorns, and the other is that indigo is dyed and then Aonibi is overlaid.
Nibi-iro is a general term for achromatic colors (colors between black and white) in the Heian period (794-1185), and is equivalent to gray and grayish colors today. It also refers to a wide range of hues, from light to dark, with bluish colors being called “Aonibi”.
In the Edo period (1603-1868), the Nibi-iro hue became fashionable as a chic color with a touch of sabi, and was subdivided into the “00 Nezu” hue. As a result, the color name “Aonibi” was no longer used, and the concept of this color as a “wicked color” completely disappeared.
-read:Aonibi-
Post navigation
Pinterestでシェアする際にご利用ください。
注意事項
表示されている色(RGB値)は色の名前に対するおおよそものです。色名によっては広範囲の色を指す場合や文献・書籍等によっては解釈が異なる場合もありますのでご了承ください。 ご利用の環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。
印刷などに伝統色を利用したい場合は、DICグラフィックス株式会社から発売されている日本の伝統色シリーズがオススメです。